薬剤師の免許取得からMR→薬剤師→多角事業経営者になるまでの軌跡

薬剤師の免許取得からMR→薬剤師→多角事業経営者になるまでの軌跡

薬学部在学中は授業やレポートに追われながらも、イベントサークルや、昔から勤しんだサッカー部で充実した学生生活を送った西氏。今や薬局3店舗を経営し、薬剤師以外の領域への事業参入を着実に進めている。薬剤師を目指したキッカケやこれからの構想についての胸中を聞いてみた。

プロフィール
福島県生まれ。明治薬科大学薬学部にて薬剤師免許を取得。大学卒業後、大塚製薬株式会社のMR(医薬情報担当者)として3年間福島県内の病院を担当。退職後に埼玉県川口市にて「ブレイブ薬局」を開業し、埼玉県内を中心に薬局の多店舗展開に着手。2025年問題の到来に向けて、今後の薬剤師の在り方や在宅・訪問薬剤師の支援事業を推進予定。

正直迷ったこともあった、薬剤師として勉学の道を進む覚悟

西さんのこれまでのキャリアを教えてください!

私は新卒で製薬会社に入社し、MRとして一般開業医さんや地域の基幹病院を3年間担当してきました。その後、調剤薬局へ転職し、薬剤師としてのノウハウを学んだ後、現在の薬局で働いています。

先ほども述べたように、在宅領域はたくさんの職種の方々が絡む仕事のため、MRとしての仕事の経験は今の薬剤師の業務にもすごく活きていると思います。相手のニーズがどこにあり、どういった内容の情報提供が効果的なのかを常に考える思考のクセはその当時の経験があったおかげかと思います。

なぜ薬剤師をやろうと思ったのですか?その背景をお聞かせください!

両親が安定した職業で家庭を築いてたこともあり、良い意味で保守的な家庭環境で育ちました。高校、大学と進学を考えるフェーズでも『資格職』、その中でも特に安定性の高い、医師、薬剤師の資格をとるように両親から勧められてきました。進学を考える上で両親からの進言は大きく影響していると思います。

進学、将来の仕事の決断に関して、親に抵抗もなくその道を進もうと思ったですね?

そこまでおおきく抵抗はなかったです。両親の言うことがシンプルに納得できていた部分は基本にあります。それに加えて私が小さい頃からスポーツに講じていたこともあり、運動や栄養という分野において興味がありました。

このようなバックボーンから人の健康という分野に興味は派生していき、進学の際にも薬学や医学という選択肢が自然になっていました。いざ薬学部に入ってみると、このまま薬剤師になるんだ…と当時薬剤師以外の道がないと思いこんでいた私は、薬剤師以外の道が閉ざされてしまったと後悔と葛藤に悩まされましたね。

薬剤師になるという葛藤を感じるとなった時に、他の選択肢はどのようなものを考えましたか?

そうですね。スーツをビシと着こなした営業マンに憧れを抱いていました。お恥ずかしい話父親のスーツ姿に影響されていると思います。結局在学中に色んな活動で人と会う中で、薬学部でも薬剤師以外の様々な仕事に触れることを知れたので、就職するタイミングでまた考えようと。

最初の仕事は結局MRを選ぶことになるのですが、やはり薬剤師として直接患者さんと触れ合う医療貢献ができればと思い、最終的にMRから薬剤師に転身しました。

医療人として、部分、全体俯瞰ができる薬剤師になりたい

今西さんは薬剤師としてどのような仕事をされていますか?

私が働いている薬局は一般的な門前薬局という形態だけではなく、老人ホームや個人在宅などの在宅医療領域の患者様や近隣にお住いの方々が他の医療機関でもらってきた処方箋を調剤する地域の幅広いニーズに対応した薬局です。

現在は月に100医療機関以上の処方箋を受けており、幅広い処方内容を扱っています。その中で特に力を入れていることは特別養護老人ホームや有料老人ホーム等に入居されている方々のお薬を担当するいわゆる施設在宅といった領域です。

様々なタスクを並行して行うお仕事の中で意識していることは何ですか?

スピーディな対応とコミュニケーションを意識しています。施設在宅や個人在宅では一般的な外来業務に比べて、様々な医療職種の方々とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていかなければなりません。

処方内容の変更や体調の変化の情報共有など、医師、看護師、ヘルパー、ケアマネさんなどと質の高いコミュニケーションを短時間で行う必要性があります。また診ている患者さんが要介護認定をされている患者さんがほとんどのため、一般的な患者さんよりも容体の急変の頻度が高く、お薬がすぐに必要な状況等もあるため、スピーディな対応ができるよう常に意識をしています。

2025年問題でこれからの薬剤師が問われる時代

これからの薬局経営について西さんのお考えを教えてください!

2025年問題を背景に在役医療のニーズが高まってきている中で、経営の側面から見ても、社会的意義を考えてもこれからは【在宅医療の場で支援できる薬局】に舵をきる必要があると感じました。

実際にこのフィールドで携わっている時の仕事で感じるやりがいも今までのものよりもはるかに大きかったりすることも相まって、ビジネス×やりがいの2軸で外せない領域になることは間違いないと思っています。

興味深いですね!その在宅薬剤師のやりがいって何ですか?

大きく二つあります。一つは成長という観点と、もう一つは医療提供の質がより本質に近い業務に携われるという点です。

成長できる点で言うと、Drや看護師といった他の医療職種の人と共に行動することで、他の職種の方々が持たれている知識や、Drの処方意図や処方の癖がその場で見えてくるため、薬局にいながら薬剤業務をするときよりも、はるかにインプットの量と質が上がっていると実感します。

もう一つは本質的な医療サービスの提供という部分ですね。患者さんの生活環境に実際に入って行くことができるので、患者さんの趣味やどういう生活環境かを目視で確認することができます。こうしたことが患者さん個人にあった適切な医療介入ができ、その後のフォローや経過を行うことができるので、医療財源、患者さん、我々薬剤師にとってWin-Win-Winの医療サービスの本質に則した仕事をすることができます。

大変だと感じるところややりがいはありますか

多岐にわたる医療機関と連携しているため、急な対応が発生する場合があり、1日のスケジュールの中で大きく変更することが余儀無くされることも少なくありません。調剤手技上(嚥下がわるかったり)のテクニカルな対応が必要とされるケースもあり、その際の業務的な時間が少し長くなってしまうことも大変に思うことかもしれません。

これからの西さんの目標、目指されているところを教えてください!


私が働いている川口市のエリアも今後どんどん在宅医療の需要が高まってくるエリアのため、今以上に個人在宅への介入が求められています。ですので、より高度な医療にも対応できるよう、無菌設備等のハード、ソフト面での充実を図っていくことと地域連携をより強化し、薬剤師ってこんなこともできるんですよと地域の医療職種の方々にどんどんアピールをしていくこと。

これらが今後の課題であり、目標だと思っています。より地域の方々に頼られる薬局、薬剤師集団でありたいと思っています。

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